『私たちの映画』第5話：ナムグン・ミンの約束破りと視聴者の失望

第5話のあらすじ

第5話では、終末病と闘う女優イ・ダウム（チョン・ヨビン）が雨の中で監督イ・ジェハ（ナムグン・ミン）に感情を告白。その後ダウムが倒れて入院する中、ジェハは彼女の父親と対面し「娘を撮影現場から遠ざけてほしい」と懇願されます。それでもジェハは地方での撮影準備を入念に行い、プロとしての責任と個人的な感情の間で葛藤します。エピソードのクライマックスでは、ダウムが「これからも撮影を続けられますか？」と問いかけ、ジェハが複雑な表情で見つめ返すシーンで幕を閉じます。

視聴率の推移と約束破り

ナムグン・ミンは公開インタビューで「第5話まで見てください。そこで反発がなければ私を責めてください」と公約していました。しかし第5話の全国視聴率（ニールセンコリア）は3.7%に留まり、約束した反発を実現できませんでした。これは前週の3.4%から微増したものの、瞬間最高視聴率5.1%を記録したにも関わらず平均値では低迷が続いています。結果的に『私たちの映画』は週末ドラマ視聴率で3週連続の最下位となり、OTTプラットフォームでもWavveで11位、Disney+ではトップ10圏外という苦戦ぶりです。

韓国視聴者の反応

ネイバーTVでは78%の否定的なコメントが集まり、上位投票されたレビューでは「これは感情描写ではなく感情操作だ」「ナムグン・ミンはいつからこんなに陳腐になったのか」といった批判が目立ちました。DCインサイドなどのフォーラムでは終末病という設定が「時代遅れ」と指摘され、TheQooユーザーからはチョン・ヨビンの演技が「キャラクターの病状と乖離している」との意見も。肯定的な反応（22%）は撮影技術を評価する一方で「プロットの進行が不自然に引き延ばされている」と共通認識を示しました。

批評家の分析

TenAsiaのテ・ユナ記者は「キャラクターの感情が正当化されていない」と指摘：「恋に落ちる過程を見せる代わりに、結果だけを伝えようとする」ことが根本的な問題だと分析しました。Top Star Newsはクライマックスシーンで監督がクローズアップを避けたことで「感情的な距離感が生まれた」と批評し、OSENは「終末病という装置がキャラクター開発の代わりに感情労働を担っている」と断じました。批評家たちは第5話が確立された葛藤を繰り返すだけで物語の進展がない点で「ナラティブの可能性を浪費した」と総括しています。

文化的背景：終末病トロープ

終末病をテーマにしたこの物語は『冬のソナタ』（2002年）以来のKドラマ伝統を引き継いでいます。しかし現代の視聴者は「感情的な搾取」としてこの設定を拒否する傾向が強まっており、これがナムグン・ミンのスター性にも関わらず若年層が離脱している理由です。制作陣がこのトロープに固執する一方で本物の恋愛開発を避ける姿勢は、現代のKコンテンツが求める平等な関係性の描写と衝突しています。ブロガーchummilmil99は「『ムービング』のような現代ドラマは医療悲劇なしでも感情を創造できることを証明した」と指摘しています。

制作危機と今後の見通し

第5話の失敗を受け、制作陣は緊急の脚本会議を実施。BNTニュースによると、匿名のスタッフが「第6話ではロマンスの進展を加速させるため再撮影が行われた」と明かしました。残り6話という時間的制約の中、ドラマは構造的な課題に直面：終末病というカウントダウンが絶え間ない物語的正当化を必要とする一方、映画制作のサブプロットは未開発のままです。業界関係者は「制作陣が芸術的野心を放棄し、従来のメロドラマ的な展開に転換する可能性がある」と予測しています。

国際的なファン反応

海外の反応は国内とは対照的で、RedditのKDRAMAコミュニティは第5話の抑制された演出を「繊細な演技の手本」と称賛しました。しかしVikiの視聴者数はこのエピソード後に40%急落し、主流の国際視聴者が韓国視聴者と同じ不満を共有していることを示唆。特にスペイン語圏のファンはTwitterで#OurMovieDeservedBetterキャンペーンを展開し、ドラマ自体ではなくSBSのプロモーション不足を批判しました。日本のファンコミュニティでは「地方撮影の準備シーンが隠れた名場面」と評価する声が上がる一方、「物語の方向性が遅すぎる」との指摘も見られました。