イ・ギョンギュ、パニック障害薬合法処方も「薬物運転」疑惑で警察立件―韓国社会に広がる波紋

事件の経緯：ゴルフ場での“誤解”から始まった波紋

みなさんはご存じでしたか？2025年6月8日、イ・ギョンギュはソウル江南区のゴルフ練習場で、駐車係のミスにより自分の車と同じ車種の他人の車を運転してしまいました。車の持ち主が窃盗を疑い警察に通報し、警察はイ・ギョンギュに飲酒と薬物の検査を実施。アルコールは陰性でしたが、薬物簡易試薬検査で陽性反応が出たことから、事態は一気に大きな社会問題へと発展しました。

警察の捜査と道路交通法の厳格さ

韓国の道路交通法は、処方薬であっても運転に影響を及ぼす可能性があれば違反と見なします。警察はイ・ギョンギュの供述やCCTV、ドライブレコーダー映像をもとに、実際に運転能力が低下していたかを調査中です。国立科学捜査研究院にも薬物鑑定を依頼し、ベンゾジアゼピン系の成分が検出されたと伝えられています。正常な処方薬でも、運転に支障が出る場合は法的責任を問われるのが韓国の現状です。

イ・ギョンギュ側の説明と社会的反応

イ・ギョンギュ本人と所属事務所は、10年以上パニック障害を患い、専門医の処方に従い薬を服用していたと説明。事件当日も体調悪化で病院に行くために自ら運転したと主張しています。しかし、警察は「合法処方でも影響があれば運転は不可」という立場を崩していません。この説明に対し、ネット上では「健康問題への理解が必要」という声と「有名人はより慎重に行動すべき」という批判が交錯しています。

韓国メディアとブログでの議論

MBNやKstyle、スポーツソウルなど主要メディアは事件の詳細や警察の見解、イ・ギョンギュ側の主張を連日報道。ネイバーやティストリのブログでも「薬物運転」の見出しに対する誤解や、精神疾患治療薬への社会的偏見、法の運用の厳しさについて多くの議論が展開されています。特に「薬物服用＝違法」という単純な見方に対する疑問の声も目立ちます。

精神疾患と処方薬に対する韓国社会の文化的背景

韓国では依然として精神疾患や向精神薬への偏見が強く、芸能人が公に治療を明かすことは珍しいです。イ・ギョンギュは過去にも自身のYouTubeや番組でパニック障害をカミングアウトし、10年以上薬を服用していることを語ってきました。今回の事件は、韓国社会での精神疾患患者への理解や法的配慮の必要性を改めて浮き彫りにしています。

法律と健康のはざまで揺れる芸能人の責任

今回のケースは、合法的な治療薬であっても運転に影響を与える場合は法的責任を問われるという点で、今後の判例や社会的議論に大きな影響を与える可能性があります。専門家の間でも「薬の影響の個人差」や「社会的責任」のバランスについて意見が分かれています。有名人であるイ・ギョンギュの事例は、一般市民にも大きな波紋を広げているのです。

ファンと市民の声：共感と啓発の広がり

事件後、SNSやブログではイ・ギョンギュを擁護する声や、精神疾患治療に対する社会的理解を求める投稿が増えています。一方で、交通安全や法遵守の重要性を訴える意見も多く、韓国社会全体で「健康と法」「偏見と現実」の間で活発な議論が続いています。

今後の展望と国際的な視点

2025年6月25日現在、警察の捜査は継続中で、今後専門家の鑑定や追加調査の結果が注目されています。今回の事件は、韓国だけでなく世界中のファンや関係者に「精神疾患と社会的責任」「法律と個人の健康」の問題を問いかけています。みなさんも、こうした現実を知ることで韓国社会の多様な側面をより深く理解できるはずです。